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しろくまがいるブログʕ·ᴥ·ʔฅ

IT業界で残業ゼロを2年続けて分かったことは、日本から残業はなくならないということ

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無理しない働き方が注目されている昨今ですが、私が働いている会社ではIT業界にも関わらず、残業ゼロが全社員に課せられました。

そのような状況ですでに2年が経とうとしています。

2年に渡って残業ゼロの仕事を続けて分かったことをお話したいと思います。

きっかけはライフワークバランスという名の経費削減施策

残業ゼロ施策が始まったのは2年前、当時でもブラック企業の話は絶えずニュースになっていましたが、世論的にはそこまで残業は悪だという感じでもありませんでした。
そんな時にライフワークバランスを重視するという名目で、残業ゼロが推奨され始めました。
しかし経営状況などから推測すると、単なる経費削減の施策なのがバレバレでした。

 

残業させない施策

具体的にどんな施策をやるかというと、まず、残業の申請を面倒くさくするのです。
当初は社員が好きに残業しても仕事さえやっていれば、何も言われませんでした。しかし、それを部長以上の許可がないと残業が出来ないようにしたのです。

そうなると、残業をするための明確な理由を考えなくてはなりません。
適当に考えて申請に行くと、「それ今日必要?」と言われます。

でも必要なんですよね。そうしないと明日以降の仕事に影響が出てしまう。上の人に分かるように残業する理由を完結に分かりやすく書く必要があるのですが、これって意外と面倒くさい。結局残業やるのに、理由を考えるのに2,30分時間を使ってしまいます。

 

段々厳しくなる残業規制施策

会社としては経費削減が目的ですから、やはり残業はして欲しくない。そうなると施策も厳しくなってきます。
次は、直属の上司が、残業が多い人達とマンツーマンで面談を始めました。
といっても別に脅すわけではなく、どうすれば残業をしなくて済むか建設的に考えてくれるのです。
人が足りないのか、仕事内容が難しいのか、体調が悪いのか、などなど。
その結果、上司がリソースの確保と仕事の割り振りを調整してくれたので、残業が多い人の残業時間がどんどん少なくなっていきました。

これこそ管理職の仕事だと思いましたね。ただし有能な人じゃないと逆に仕事が増える羽目に・・・。

 

働き方の変革

最初は残業なしに戸惑っていた社員も、施策が根付いてくると段々要領を得てきます。実際に私も考え方が変わってきました。

定時に終わることを見越して1日の作業量を決めるようになる

今までは残業前提だったので、23時までにここまで作ろうとか、どうせ残業だから昼間はゆっくりやろう、という意識が働いていましたが、定時までに終わらせるように、逆算して仕事をする癖が身に着きました。集中してやらないと終わらないので、日中に眠くなるということが減りました。

 

優先度付けスキルが磨かれる

残業できないとなると、1日で出来ることが限られます。そうなると、今日やらないといけないことが何かを見極める必要があります。その見極めスキルが磨かれたかなと思います。
具体的に優先度の高い作業の例を挙げると、「事前に根回しが必要な作業」です。
ある資料を作る作業があった場合、事前に資料のレビューをお願いしたい人にレビュー日やレビュー内容を言っておくのです。
そうすることで、資料が出来てからスムーズにレビューを行うことが出来ます。個人的に、レビューってなかなかレビューアの予定が合わなくて延びることが多いと思っています。
自分だけの力で出来る作業は大抵なんとかなります。極端な話、手を抜けば(いい意味で)早く終わらせることができますし。

 

働き方以外の効果

残業ゼロになったことで働き方以外で良かった点を挙げてみます。

家族との触れ合いが増えた

定時が18時なので、19時前には家に着けます。そこから食事して子供と遊んでお風呂入って寝かしつけして、、、といった感じで、帰ってきてから寝るまで子供と触れ合っています。
子供と遊べるなんて今のうちだけですからね。(HPだけはどんどん削られますがw)

 

健康になる

毎日帰る時間が決まっているので、生活が規則正しくなります。
19時に晩御飯を食べて、0時には寝て、6時に起きて会社に行く。このサイクルが平日はずっと続きます。
残業があると晩御飯の時間も遅くなり、朝もご飯を食べない、睡眠時間も減るという不健康な生活になりがちです。
これが改善されたことで、まず体重が減りました。特に運動はしていないにも関わらず、5kgは減りました。おそらく21時以降にご飯を食べないことが良かったんだと思います。
次に下痢気味だったのが治りました。これもおそらく夜遅くに食事をしなくなったことが関係しているんじゃないかと思います。23時とかに食事してしまうと、消化不良になるんじゃないかなと。

 

弊害

良いことばかりではなく、弊害もありました。

間に合わない仕事が出てくる

たぶんここまで読まれた方は気になることがあると思います。

急な仕事とか、どうしても1日で終わらない仕事はどうなるの?ってことですが、

結論から言うと、

間に合いません 

ただし間に合わなくても残業出来ないことを周りが分かってくれているので、間に合わなくてもある程度は許されます

なぜ周りが分かってくれるかというと、私の業務が研究開発で相手が同じ会社の人間ということが大きな理由です。
残業を出来ない事情を知っているので、無茶な要望を言ってきませんし、ああ仕方ないねで済みます。
ポイントは「ああ仕方ないね」と思ってくれる雰囲気を作れるかどうかです。
まぁ、一般のユーザや企業相手の会社だとこうはいかないのであまり参考にならないとは思いますが・・・
 

収入が下がる

当たり前ですが残業代がないので収入が下がります。私の場合、残業できていた頃と比べると年収が100万弱下がりました。
正直痛いです。妻からはいつから残業出来るの?と言われます(汗

ただ、私はその代わり子供と触れ合える時間をもらっていると割り切っています。

ITという業種はただでさえ激務で満足に家にも帰れない業種です。毎日残業で帰りが遅くて子供に会えていないという人が多い中で、子供とこれだけ触れ合えるのは貴重な経験かなと思っています。
 

まとめ

結局、残業なしでうまく働くために一番重要なのは、周りの理解です。
いくら自社が残業なしを推奨していても、お客さん(取引先など)が今日中になんとかしてほしいと言われれば、残業してでもやるしかありません。
定時過ぎたから今日は無理だね、しょうがないね、という理解が周りにあれば、残業をしなくて済むようになります。
アメリカやヨーロッパではそういった理解がある程度浸透しているため残業が少ないのだと思います。

最近では残業を制限する企業が増えてきていますが、自社だけではなく社会全体が、残業しないのが当たり前な環境を目指さないとうまく回らないんだろうなと思います。

しかし日本ではそのような考えの会社は少ないんじゃないでしょうか。

家に帰っても仕事のことを考えてしまう。家族よりも仕事が大事。納期は死んでも守る。工数の見積もりは残業込み。自分の仕事が終わっていても先輩が帰るまでは帰れない。

同じ職種の友達を見ても同じような感じです。このような考えが根付いている限り、日本から残業がなくなることはないでしょう。

唯一有効なのは、会社そのものが残業なしのルールを作って守らせること。ただ、そのようなルールの会社はまだまだ多くありません。

どんなに過労死の人が増えてもこの状況は変わらない気がします。(今もそんなに変わっていませんしね)

 

我々人間の仕事がロボットに取って代わる日が来れば、あるいはもしかして・・・。